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◇世界義勇消防連盟アメリカ地域会長(英語版P.5)
アメリカ地域並びに世界の義勇湖力団の皆様、第4回世界義勇消防連盟アメリカ地域総会に皆様とともに参加する機会に恵まれ、光栄に思います。
といいますのも、まず私は、チリ消防団からアメリカ地域並びに世界の消防団員の皆様へ、心からの御挨拶をお伝えする役目を負っているからてす。いかなる個人的な願望にも増して、私の祖国の将来にとって常によかれと願う気持ちを失うことなく、今後も消防団としての任務に応えていかなければならないと理解しております。
さて、このような、アメリカ地域において消防の使命を共有する消防団貝が集まる機会を得ました。世界義勇消防連盟アメリカ地域本部は、消防団の性格と目的を持つ確実な活動で、アメリカ地域と世界の成長に貢献できる、また貢献すべきであるというメッセージをアメリカ地域以外にも伝えるための中心的な活動拠点となります。
また、我々消防団員を結び付け、経験の交換や相互協力に役立つ団体を持つことの重要性が認識されています。特に消防活動が人命救助、環境保護、社会財産保護といった活動から派生したことを考えるとなおさらです。これらの活動を効果的に遂行するには熟練した技術が必要とされます。むろん、我々の連盟が当初から持つ価値観や理想を失ってはいけませんが、世界で新たな危険や挑戦が我々を待ち受けている今、実情に対応できなければなりません。
ほんの数ヵ月前のことですが、世界義勇消防連盟 徳間正明氏がチリを訪問されました。この時、氏は国内の消防活動を詳しく御覧になるとともに、この地域総会のホスト国がペルーになる予定であると告げられました。
ぺルー義勇消防団の皆様に対し、皆様の御配慮と敬意に感謝し、私から心からの抱擁を送ります。我々消防団員が、歴史的な違い、文化的な違いを越えて、国境という概念をどのように克服してきたかを世界に知ってもらうことは有効なことです。国こそ違え、苦難を取り除く活動において我々の精神はただ一つです。
ぺルー、アメリカ地域、そして世界の友人、同胞である消防団員の皆様−本日、本総会に終結するにあたり、私はアメリカ地域の会長として公約を新たにします。さらなる努力を継続し、アメリカ大陸の消防団員により良質の援助を行い、また消防団員に対しくじけることのないよう呼び掛けます。この活動は偉大な仕事です。理想を持ち、ヘルメットと作業着に身を包んだ消防団員の活動により、アメリカ大陸の全市民そしてそれぞれ一人一人が成長していくのです。消防活動にはまず築き上げ、そして今日まで築き上げられてきたものを守るという二つの段階がありますが目的は一つです。それはつまり、将来実施されるあらゆるプロジェクトにおける、最も中心となる価値観であり、人間生活を尊重し守ることなのです。
最後に、本地域総会での成果が実りあるものになりますよう、また皆様が世界中の消防団員にとっての新たなる希望の光とともに帰国いただき、同胞にお伝えいただければと切望いたします。ありがとうございました。

 

1996年10月1日
アメリカ地域会長
オクタビオ・ヒンズペーター・ブルムサク

 

 

◇日本国内閣総理大臣(英語版P.6)
世界義勇消防団第4回アメリカ地域総会が、ペルー共和国リマ市において世界各国から多数の消防代表者の参加を得て、盛大に開催されますことを日本国政府を代表いたしまして心からお祝い申し上げます。
申すまでもなく、消防の職責は、尊い生命、身体及び貴重な財産を火災やその他の災害から守り、人々が安心して生活を営むことができるようにすることにあり、これは国境を越えた各国消防の共通の使命であります。
近年、地球環境の変化から大規模な自然災害が世界各地で数多く発生し、また、火災等の災害もますます複雑多様化、大規模化しております。
こうした災害に昼夜を問わず、身を挺して活動を続けておられる義勇消防の皆様方に対して、心から感謝と敬意を表する次第であります。
本地域総会において、各国の防災を担う義勇消防の皆様方が、消防活動の状況についての認識を一層深められ、また、義勇消防関係者の相互交流と国際親善を促進することは、誠に意義深いものであり、その成果を期待いたします。
終わりに、各国の義勇消防の皆様におかれましては、今後ともお互いに協力し消防使命の達成のため、なお一層御活躍されますようお願い申し上げますとともに、各国のますますの御繁栄と世界義勇消防連盟の御発展を心から祈念して、私の祝辞といたします。

 

1996年10月1日
日本国 内閣総理大臣 橋本龍太郎
(代読 日本国自治省消防庁次長 篠田伸夫)

 

 

 

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